サントリースピリッツのウイスキー「響17年」「白州12年」が原酒不足で販売休止になるという発表は、唐突すぎて驚いた。高価格帯のウイスキーだけに口にする機会は少ないが、愛飲家にはいささか寂しい話である。国際品評会でも高く評価されていたと聞くと、なおさらだ▼焼酎人気に押され低迷していたウイスキー需要が、ハイボールの販売増を受けて拡大に転じたのはここ10年のことだ。訪日外国人の増加もあり人気はうなぎ登り。とうとう国内のウイスキー需要は10年前の2倍に達したという▼ただ、それぞれ専用の原酒があるわけではなく、ブランドごとに複数の原酒を組み合わせてサントリーのウイスキーができる。需要に対応できるだけの原酒が足りないことから取捨選択を迫られ、両ブランドの販売休止が決まった。同社は原酒貯蔵庫を増やす計画というが、消費者が口にするまでには相当の熟成期間が必要となる▼財政健全化を目指す日本。黒字化の目標時期を2025年と、従来より5年先送りする方針のようだ。政府はこれまで何度となく目標時期を先送りしてきた。原酒を国の財源に置き換えると心配の度が増してくる。長きにわたり検討してきた課題は、かなり熟成しているはず。そろそろ実行に移さないと、国のサービスが休止になる日がくるかもしれない。(18・5・30)

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