日本の製造業で働く人々は、総じて生真面目であると推定できる。なぜなら、日本の化学業界の生真面目さを知っているから。ときとして行き過ぎとも感じるその真面目さには感服する。弊紙がそう表明しても説得力に欠けるかも知れないが、知っているからこそ言えることでもある▼真面目にもかかわらず、化学業界を含めた製造企業からデータ偽造などの不正問題が後を絶たない。日頃からとても不可解に思っていた。そんなわけで週末、封切り早々の邦画を観た。企業の品質不正問題を題材にしたストーリーだ▼営業妨害になるので内容は書かない。ごく簡単な個人の感想を書く。映画が伝えようとしていることは、組織への帰属を誇りとする日本人の矜持がかえって不正を引き起こす種になる、ということである。映画では日本人を強調していたが、果たしてそうだろうか▼団体スポーツ、とくにサッカーやラグビーなどの接触プレーをともなう競技には反則(ファール)がつきものだ。絶対に負けられない試合ほど大胆な反則が目立つが、日本チームは世界的にみて反則は少ないように感じる▼国際政治の舞台になると、さらに日本の反則は少ないのではないだろうか。製造業の品質不正問題も、国際基準に照らして再評価すれば、違った見方になるのかも知れない。(19・2・5)

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