国内の医薬品プラントで連続生産システムの導入が本格化する。日本では、製薬企業における錠剤などのプロセスはバッチ式に限られている。しかし省スペース性に加え、コスト削減に役立つことから、連続式プロセスの試験生産に着手していた。米国勢に後れを取ったが、2018年度から、いよいよ国内で本格採用が始まる見通しだ。粉体製造装置メーカーにとって新市場として期待したい。
 国内の製薬企業では、錠剤などの製造プロセスとして原料供給から混合、造粒、整流、打錠まで、慣れ親しんだバッチ式が定着している。ただバッチ式は生産量が反応タンクの容量に左右され、容易に変更できない。また各装置が独立しているため広いスペースを要し、装置ごとの管理も欠かせない。さらに各工程でロスが発生しやすく、スムーズに生産を行うには熟練した作業者が求められる。
 これに対して連続式プロセスは、全作業の一貫体制が構築できるため、生産量の拡大に合わせて多くのタンクを増設する必要がない。また初期設定した後は各工程に作業者が常駐せずとも操業でき、省人化が図れる。こうしたメリットがあることから、国内装置メーカーは連続式プロセスを製薬企業に積極的に提案してきた。
 医薬品の製造プロセスは、一般の化学品とは異なり規制が厳しく、容易に工程を変更できない。ただ製薬業界のグローバル競争が激化するなか、各社は、よりコスト競争力のある連続式に強い関心を示している。
 国内の粉体装置各社は近年、それぞれの粉体装置を高度化することで連続式プロセスを実用化している。この結果、18年度から19年度にかけ、商業ベース第1号プロセスの正式受注にこぎ着けるとみられる。
 パウレックは、原料供給、混合、造粒、整流、打錠、コーティングを連続的に行う「CTS-ミグラシステム」を提案している。ダルトンは先ごろ、連続造粒乾燥の商用機として「ドームEX・システム25」を開発した。生産能力は毎時25キログラムで、量産ニーズに応える。またフロイント産業は、医薬品原料の混合から造粒、乾燥、錠剤形成までスピーディかつ連続生産が可能なシステム「グラニュフォーマー」を訴求する。
 医薬品は安全性第一であり、導入に向けて十分なテストが必要なことは言うまでもない。ただ製薬業界のグローバル競争が激しくなるなか、省人化、省スペース化、コスト削減に役立つ新プロセスへの期待は大きい。粉体装置メーカーにとって有望分野であり、将来的な市場拡大が見込まれよう。

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