正月用のカニを注文するために、通販サイトと睨めっこしている。サイズや産地が同じでも、店によって結構価格が違う。送料も有料と無料がある。高額だから慎重に検討して決めるが、年末の忙しい時期に配達日時を指定できるから有り難い▼水産物など生鮮食品は、まだ実店舗が強みをもつ。通販は自分で商品を確かめられないのがネック。信頼性への不安解消が売り手側の課題だが、それでも徐々に浸透してきた。ギフト用や普段使いでの利用は着実に広がっているようだ▼生鮮食品は鮮度が命。昔は旬の季節に産地に足を運んで味わった。いまは全国のどこからでも家庭にお取り寄せができる。食品保管や保温輸送技術などの進歩に負うところが大きい。もちろん宅配便が浸透したことも大きく貢献している▼この日本発のシステムが国際標準化されようとしている。小口保冷輸送サービスの国際規格の検討がISOで進められ、日本が議論を主導している。実現すれば、わが国の物流秩序が国際標準となり、国内の高品質な農水産物を海外展開するうえでも大きなメリットを生む▼日本の産業の国際競争力強化につながる、まことに結構な話だ。さはさりながら、北海道のカニや宮崎のマンゴーが品薄になり価格上昇を招きはしないかと、一消費者としての懸念が生じることでもある。(19・11・25)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る