27日は土用の丑の日だった。それを前にした22日、「土用のウナギはご予約を」と題したツイッターを環境省が投稿した。食品ロスにならぬよう、食べる人は予約してという趣旨だが、「絶滅危惧種の消費を後押しするのか」と批判が殺到し、3時間で削除された▼世界的な食糧不足の一方で、先進国を中心に食べられる食品が大量に廃棄されている。フードロスの削減は世界的な課題とされ、国内でもさきの国会で食品ロス削減法が成立した。10月の施行に向け、同省を含めた関係省庁が国民運動推進などの体制整備を進めているところだ▼そんなことが念頭にあってのツイートだろうが、ニホンウナギは同省が絶滅危惧種に指定している。軽率の誹りは免れない。さらに、飲食店情報サイト「ぐるなび」からうな重の写真を無断転載したというおまけまで付き、原田大臣も釈明に追われた▼農林水産省の統計によれば、日本の食品ロスは年間643万トン(2016年)に及ぶ。家庭から291万トン、事業系が352万トンという内訳。大幅削減には社会全体の意識改革が必要になる▼鰻の稚魚は絶滅が危惧されるほど少なくなった。だから当然のように値上がりが続き、庶民には縁遠くなる一方。国産の上等品なら大奮発だ。予約しようがしまいが、これを食品ロスにしてしまう度胸は、ない。(19・7・29)

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