塩野義製薬は25日、新型コロナウイルスワクチンや治療薬の実用化などで協力することでベトナム政府と基本合意したと発表した。塩野義が開発中のコロナワクチン、治療薬の臨床試験を現地で実施し、開発を加速する。ワクチンが実用化された場合は、現地企業が国内生産できるよう塩野義が協力する。

 新型コロナなど感染症対策に向けた協力体制を構築することで基本合意した。今後は塩野義とベトナム保健省、アドバンスト・インターナショナル・ジョイント・ストック・カンパニー(AIC)が具体的な協力体制について協議を進める。AICは同国の政府系総合商社で、協議や実施計画の調整役として参加する。

 塩野義の目的は、コロナワクチン、治療薬の開発加速だ。ワクチン開発ではプラセボ(偽薬)と比較して有効性などを検証する第3相臨床試験(P3)、治療薬開発では日本などで実施中のP2/3をベトナムで行うことを検討している。接種が進み感染者も少ない日本では偽薬を使う大規模な臨床試験を行うのが難しいため、感染者や未接種者が多い新興国などでも臨床試験を実施し、グローバル展開にもつなげたい考え。

 ワクチンは現地生産も可能にする。実用化された場合、塩野義が持つ組み換えたんぱくワクチンの技術移管を行う。現地生産する企業などは今後の協議で決める。

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