新しい何か、そして売れる何かを捻り出さなければならない。日本人の多くがそうした強迫観念に苛まれているような気がする。筆者自身もそうである。時代が変わり、これまでとは非連続な社会が到来する。そのなかで生き残っていけるのだろうかと考える▼戦後70数年、日本はグローバル競争のなかで相当、頑張った。何を基準に考えるかにもよるが、この時代に日本に生まれ日本に育ったことは、かなりの幸運ではないか。そして幸運なわれわれは、今の日本を築いてくれた先人達の遺産で生きているだけではないか。そう考えて再び焦燥感に襲われる▼休日、街を走るクルマにぼんやり目を向けると、自動車メーカーも同じように悩んでいるのが分かる。大衆車なのに、いや大衆車ほど奇抜なデザインが採用されるようになったからだ。スーパーに買い物に行く普通の主婦が奇抜な服とケバケバしい化粧、おまけに鼻が曲りそうなキツイ香水を付けているような違和感、場違い感を感じる。焦りすぎ、考えすぎはかえって良くない、と我に還る▼売れるにはどうしたら良いのか、そう考えるとかえって視野が狭くなるのかも知れない。もっと純粋な気持ちで、自分の良心に照らして最良の仕事を目指す。その結果、自ずと売れる何かが生まれるのではないか。そんな気がしてきた。(18・10・30)

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