関東甲信地方に観測史上最も早い梅雨明け宣言が出され、今年は例年より長期にわたる暑さ対策を覚悟させられる。夏バテ防止の食べ物といえば、やはりビタミンAやビタミンB群を多く含んだ鰻を思いつく。体調を崩しやすい夏に鰻を食べて栄養を摂るという考えは、万葉集に記されているほど古くからある▼ただ、鰻は高級食材。庶民としては土用の丑の日を口実に鰻を食し、夏バテ対策も万全といったところか。鰻と良く似た穴子で我慢という輩も、この日ばかりは本物に手を伸ばすのでは。穴子からすれば、別に鰻に憧れているわけでもなかろうに。もちろん穴子党の人も多いと思うが▼きょう7月5日は「穴子の日」だそう。「あな・ご=7・5」の語呂合わせで、一年中で夏が一番おいしい季節ということも由来する。大阪の食品メーカーが定めた。穴子の生態は未知な部分が多いという。夜になると餌を探し回り、昼は海の底や岩穴に身を潜めることから『穴子』と呼ばれるようになったとの説がある▼同じウナギ目で、生物学上は親戚のようなもの。栄養面でもこれといって大差はないが、旨みに大きく影響する脂肪の量は鰻が圧倒的に多い。いくら似てても穴子は鰻に勝てないということか。採算を優先する産業界とは違って、味を求めるにはコストは度外視なのである。(18・7・5)

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