先月2日に東京外かく環状道路(外環道)三郷南インターチェンジ(IC)~高谷ジャンクション(JCT)間が開通・延伸したことで、首都圏を中心とする物流の大幅な効率化に期待が集まっている。なかでも第1石油類(消防法危険物分類)を積載した車両が通行可能なことから、危険物を取り扱う化学品物流各社の注目度は高い。タンクターミナルや物流センターが多く集まる千葉湾岸エリアから関東各地への輸送効率が大幅に向上するとともに、課題となっているドライバーの負担軽減にもつながるなど、今後の化学品物流に大きなプラスの効果を与えることと思う。
 開通した三郷南IC(埼玉県三郷市)から高谷JCT(千葉県市川市)までの15・5キロメートルの間に、5つのICと2つのJCTがある。これによって東関東自動車道、常磐自動車道、東北自動車道、関越自動車道の4つの放射道路が接続。都心部を通らずに千葉湾岸エリアから関東各地にアクセス可能となり、環状道路のメリットが、さらに発揮される。また高谷JCTは成田・羽田両空港のほぼ中間に位置し、利便性も高まった。
 千葉湾岸エリアに立地するタンクターミナルの一つで、ロジスティック機能を有する東洋合成工業の高浜油槽所(千葉県市川市)では、約1キロメートルの至近に高谷JCTが完成。埼玉や北関東へ、さらにアクセスが容易となり、車両の回転率向上による物流コスト低減やドライバーの労働時間短縮など輸送効率の一層の向上が見込まれる。
 化学品物流企業の丸善では、一貫物流拠点である京葉油槽所(同)から約1キロメートルの距離に高谷JCTが位置する。このため常磐自動車道や東関東自動車道へのアクセスに優れる総合物流センターである柏事業所(千葉県白井市)との連携強化を図る構えだ。両拠点を結ぶ自社所有の大型トラック定期便を導入したほか、今年10月には柏事業所に危険物対応を含む計3棟の新倉庫が完成する見通しで、北関東向けを中心とした配送の利便性を、さらに向上させる。
 総合物流企業の日陸は、双日グループのエヌアイケミカルと17年に業務提携。エヌアイケミカルの千葉事業所(千葉市美浜区)に年内に1000キロリットルタンクを新設するなど、千葉湾岸エリアにおける油槽設備の充実に取り組む。
 一方で近い将来、物流施設が供給過多となり、需給バランスが崩れるとの見方もある。ただ今回の外環道延伸を機に、急務となっている物流業界全体の効率・生産性が改善されるのは確実。労働力不足の解消にもつながることを期待したい。

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