富士フイルムは17日、新型コロナウイルス感染の有無を調べる抗原検査キットについて、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に製造販売の承認を申請したと発表した。足元では神奈川工場足柄サイト(神奈川県南足柄市)での生産を予定しているが、グローバルに展開することを踏まえ、ベトナムにある合弁会社の生産拠点で2021年度から22年度にかけて順次設備を増強。月産200万個の生産体制を構築する。

 抗原検査は迅速に検査できることから病院のほか、空港やイベント会場などでの利用も国内外で検討が進められている。その場で結果を確認できる利点はあるが、PCR検査に比べて感度が低い。富士フイルムは「銀増幅イムノクロマト法」と呼ぶ独自技術を応用。横浜市立大学と共同で高感度で迅速な検査が可能なキットの開発を10月から進めていた。

 グローバルでの安定供給を目指し、プラスチック部品成型のユウワ(長野県小諸市)との合弁会社で診断薬の製造を担うフジフイルムユウワメディカルプロダクツ(ビンズオン省)の拠点を増強。投資額は明らかにしていないが、日本貿易振興機構(JETRO)の公募型「海外サプライチェーン多元化等支援事業」に採択されたという。

 今後は日本のみならず、欧州での展開についても準備を進めるとしている。ベトナムから日本や欧州に輸出することを視野に入れる考えだ。

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