米製薬ノババックスが開発中の新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造に日本企業が協力を広げている。富士フイルムは海外子会社のフジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ(FDB)を通じ、英国政府が米社から調達するワクチンの原薬製造を受託し、AGCはワクチンに添加する免疫増強剤(アジュバント)の受託規模を1・5倍に拡大する。ノババックスは最速で9月にも大規模な最終治験を開始し、日本向けは武田薬品工業が開発・製造で協力する。

 ノババックスのワクチンは、新型コロナウイルスの遺伝子情報をもとに作り出した抗原を有効成分とするナノ粒子ワクチン。年明けまでに1億回の供給を計画し、来年には10億回以上を目指している。

 FDBは最大6000万回分の原薬供給に向け、2021年初めから英国の拠点で製造を始める予定だ。FDBはすでに米ノースカロライナの拠点で原薬の製造を開始し、ノババックスが米国で計画する最大3万人規模の第3相臨床試験向けに供給する。米テキサスの拠点でも原薬製造を行う計画だ。

 AGC子会社の米AGCバイオロジクスはすでにアジュバントの製造を受託しており、今回、デンマークの工場に加えて米シアトルでも製造できるようにし、米国などで始まる大規模試験に備える。AGCによると、日本向けのアジュバントの製造を担う可能性もあるという。アジュバントはワクチンの効果を高めるために添加する物質で、ワクチン接種回数を減らせ、供給量拡大に役立つ。

 ノババックスはコロナワクチンについて後期第2相臨床試験を南アフリカで始めた。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症患者も含め、計2900例を登録し、有効性、安全性を検証する。南アでは、薬事承認された場合、ワクチン大手のインド血清研究所が充填・包装や流通を行う予定。米国などでも近く第2相試験を始め、最速で9月にも第3相試験に進める計画。

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