再生医療の先に創生医療という生体材料を用いた新医療技術が必要かもしれない。ES細胞、iPS細胞など他人や動物の細胞を使うには免疫拒絶というリスクをいかに回避するかが課題になる。それでも米国などでは動物や他人の細胞・組織を利用した再生医療が広がっている。キーとなるのが脱細胞化生体組織だ▼東京医科歯科大学生体材料工学研究所の岸田晶夫教授らは先頃開かれた同大の記者懇談会で脱細胞化技術への取り組みを紹介した。欧米ではすでに動物の組織から免疫源になる細胞成分を除去し、血管、心臓弁、皮膚、骨など広範な臨床応用が進んでいる。昨年段階で43種の製品が販売されており、それに中国、伯などが加わってくるが、日本ではその輸入もないという▼生体組織バンクが未整備で、法規制などもない。厚労省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)も規制対応を検討中で、岸田教授も協力している。医療機器の範疇とも考えられるが、その評価をどうしていいかがわからない。また安全性の担保も問題だ。安全確認に何年かけるのかなど議論が詰まらない▼欧米には人の組織移植のデータはあるし豊富な経験を積み重ねているが、それらバックボーンを日本が利用するのも難しいそうだ。再生医療等製品関連法で世界に先駆けたが、実態が伴わないのは残念だ。(18・3・29)

新聞購読のご案内

つづきは本紙をご覧ください

コラムの最新記事もっと見る