このところ毎年のように、全国のあちこちで観測史上の最大値を更新する規模の集中豪雨や台風に見舞われる。「これまでに経験したことのない~」という表現が使われるが、大規模自然災害が頻発するうちにインパクトが薄れた感もある▼6日未明に北海道を襲った地震は最大震度が7。内陸を震源とする地震では過去最大級だ。激しい揺れが土砂崩れや家屋の倒壊、液状化など甚大な被害をもたらした。そして地震による北海道全域の停電は「これまでに経験したことのない」衝撃的な事態▼震源地に近い苫東厚真の石炭火力が緊急停止。それを端緒に道全域の発電設備が自動的に止まった。苫東厚真は発電能力165万kWで道内の需要の4割以上を賄う。これが瞬時に失われたため需給バランスが崩れ他の発電所も停止した▼ブラックアウトの原因は単純ではないが、一発電所への依存度が高すぎたことが主因のひとつ。北海道電力はソース多様化のため石狩湾にLNG火力の新設備を建設中だが、天災は年度内完成を待ってくれなかった▼災害発生の度に強調されるのが企業のBCP(事業継続計画)の重要性。想定の範囲だけでなく、未経験・未発生の事態を視野に入れた組み立てが必要になる。考え出せばきりがないことながら、非常時への備えとはそういうものなのだろう。(18・9・10)

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