慶応義塾大学は21日、新型コロナウイルスワクチン職域接種の効果や副反応などを調べるための大規模臨床研究を始めると発表した。日本の場合、職域接種を中心に使われた米モデルナ製についての研究は限られているとし、実態把握につなげるのが狙い。同大で接種した学生や教員から参加者を募集し、約3000人を集める。採血のほか、アンケートも行い、多面的なデータ収集を図る。

 1月11日から2月4日にかけ、三田キャンパス(東京都港区)と日吉キャンパス(横浜市港北区)に会場を設置し、採血とアンケートを実施する。調査項目は抗体価、細胞性免疫、副反応の有無など。ワクチン接種後に感染する、いわゆるブレークスルー感染の状況や接種を決めた理由なども調査する。

 抗体価などについては、大阪大学と協力し、遺伝的な違いとの関連性も調べる。アンケートとの組み合わせによって、免疫と副反応の関係性解明も目指す。さらに徳島大学とともに原因となる抗原の探索も予定する。

 得た成果は国立国際医療研究センターと国立感染症研究所が共同で立ち上げたデータベース(DB)に収録・公開する。また、抗体価に関しては参加者に通知する。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る