カナダの製薬企業アピリ・セラピューティクスは、新型コロナ感染症治療薬への転用を目指す抗ウイルス薬「アビガン」の第3相臨床試験(P3)について、統計的有意性を達成しなかったと発表した。同薬は富士フイルム富山化学が創製した抗インフルエンザウイルス薬で、アピリが印大手製薬ドクター・レディーズ・ラボラトリーズを介して昨年10月に導入した。現在アピリでは試験データの追加分析を進めている。

 P3は昨年12月から米国、メキシコ、ブラジルの臨床試験サイトに登録した1231人の軽度・中等度患者を対象に実施。症状改善までにかかった時間を評価したが、プラセボに対する有意差を確認できなかった。

 アビガンは経口錠剤型の抗ウイルス剤で、インフルエンザ治療薬として日本で承認されている。昨年10月には新型コロナウイルス感染症治療薬として日本で承認申請したが、それまでの試験結果からは判断できないとして継続審議となっていた。

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