「社会心理学の父」とされるアメリカの心理学者クルト・レヴィン。グループダイナミクスや組織開発の領域で歴史に足跡を残し、1947年没した。20世紀中、最も論文の引用回数が多かった心理学者だという▼変革マネジメントの「解凍―混乱―再凍結」モデルの考案でも知られる。組織と個人における変革が達成されるうえでの3段階のプロセスを表している。①これまでの思考・行動様式を変えなければいけないと自覚し、②従来のものの見方や考え方、システムが不要になることで混乱や苦しみが生じ、③新たなものの見方が結晶化し、新たな枠組の中での快適さと恒常性の感覚が再び現れてくる―という3段階だ▼変革は「何かが終わる」から始まるということに注目したい。経営コンサルタントの山口周氏は、多くの組織改革が中途半端に挫折してしまう理由として、開始ばかりに目が向き、何を終わらせるかという問いにしっかりと向き合わない、とその著書『武器になる哲学』で指摘している▼現状に甘んぜず、常に変わり続けるのは、かなりしんどい。恒常性(ホメオスタシス)があるから快適もあるのだという気もする。しかしここぞという時には、アンシャンレジームに異議申し立てをし、きっちりとケリをつけなければ前には進めないというわけだろう。(18・11・7)

つづきは本紙をご覧ください

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る