新しくした三徳包丁。日本刀のような波紋に魅せられ衝動買いしたものだが気に入っている。例えばタマネギをクシ切りするとき、不安定な最後の1㌢㍍を難なく半分に切り分けられる気持ちよさは格別だ。不器用な者こそ道具が助けてくれる▼ところがその包丁でも全く敵わない相手があった。寿司の太巻きである。ご飯が刃にネッチョリとまとわりついてしまい、1回ごとに布巾で拭き取り洗わないと切れない。調べると、キッチンペーパーを包丁に巻き、水で濡らして密着させた状態で切ると良い、とあった▼とくに料理好きでも、まして食通でもない。ただ、ちょっとの工夫でうまいものが手早く作れるなら知りたい。その程度の興味はある。そんなわけで、料理人を目指す若者が主人公のコミックを読んだりする▼コミックで知ることになる料理人の創意工夫と生み出される技法、あるいは料理に賭ける情熱などは、もの作り産業に近いものがあると感じる。その店の秘伝の味とはまさに、日本の製造現場が生み出すハイエンドな素材と同じではないのか▼やはり製造業は現場が支えているに違いない。強い現場なくして顧客満足などあるはずがない。いや、待てよ。ファブレスで成功した米国企業製のスマホを手に取りわれに還る。難しいのでお盆休みの課題としたい。(18・8・7) 

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