新型コロナウイルスに限らず、気候変動問題、人口問題など、人類はこれまでにない数々の地球規模の危機に直面しているといっても過言ではありません。一方で人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)などのデジタル技術、バイオ技術といった科学技術の加速度的な進歩は我々の生活や暮らし、社会そのものを大きく変革しようとしています。化学産業は地球規模の課題解決に貢献し、より健康で、快適な、持続可能な社会の形成に貢献する役割を求められています。科学技術の進歩とともに大きく変貌しようとしている化学産業の姿を真正面から捉え、正確な情報をより早く発信するため、化学工業日報は「健康社会」「持続可能社会」「デジタル社会」に重点を置いた新紙面に移行します。「鉄は国家なり」という言葉がありますが、「化学は社会なり」とも言われます。社会課題の解決に向け、挑戦する化学産業の姿を多様なアングルから報道していきます。ご期待下さい。

持続可能社会

 2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」に向け世界が動き出しました。化学は二酸化炭素(CO2)を大量排出する産業である一方、カーボンリサイクルを実現するためのイノベーションで中核的役割を担うことが期待されています。「資源を有する者」から「循環炭素技術を有する者」が市場を制する時代へ――。新紙面では、日米欧をはじめ、中国や東南アジアの動向を徹底取材し、カーボンリサイクルやCO2フリー水素、再生樹脂、グリーンコンビナートの確立など、脱炭素社会の実現を目指す化学産業の世界的な潮流を伝えます。

健康社会

 技術の進歩は社会を豊かにしました。では、人々の健康はどうでしょうか。世界の英知を集めても、ナノサイズの微小な粒子、新型コロナウイルスさえ捉えきれません。それだけ「ライフサイエンス(生命科学)」には解き明かせていない未知の領域が広大にあります。言い換えれば、人類の幸せに直結する巨大なビジネスチャンスが存在します。そのライフサイエンス産業の中心にいる化学・製薬、医療機器、ベンチャー、行政などの日本・海外の最新動向を、新紙面で立ち上げる「健康社会」面で毎日伝えます。ライフ企業のAIなどのデジタル技術、脱炭素といった新潮流への対応、コロナ禍で浮き彫りになったサプライチェーン問題にも焦点を当て、化学ならではの視点で独自ニュースを発信します。

デジタル社会

 半導体やリチウムイオン2次電池などの先端技術は、デジタル社会や脱炭素社会の中核的な役割を担います。米中対立の激化や新型コロナ禍を背景に、経済安全保障上の戦略製品としても重要度が高まっています。こうした中で、日本は「お家芸」でもある先端技術の針路をどのように取るべきでしょうか。一方で、デジタル化の進展は従来の産業の垣根を曖昧にし、そこから新たなビジネスチャンスも生まれます。新紙面で創設する「デジタル社会」面では先端技術や企業動向の最前線を伝えると同時に、日本の課題や乗り越えるべき方策を多角的な視点から掘り下げていきます。

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