米国食品医薬品局(FDA)は現地時間10日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、海外の査察案件をすべて延期すると発表した。一部の重要案件を除き、海外で予定していた実地査察を少なくとも4月まで見合わせる。すでに中国での査察は延期しているが、感染が世界各地に拡大しているため職員の海外派遣が難しくなった。代わりに、海外当局との情報共有や過去のデータなどを活用して品質評価を行う方針。米国は多くの医薬品や原薬を海外から輸入しており、とくに新しいジェネリック医薬品(後発薬)の市場導入などに影響が出てきそうだ。
 新型コロナの流行を受け、米国でも渡航・入国禁止とする国・地域が拡大している。FDAのような政府系職員の海外渡航も制限されるため、海外での実地査察を行うのが困難になった。FDAが「極めて重要」と判断するものを除き、すべての海外査察案件を4月まで見合わせる。すでに中国での査察案件は延期しているが、海外全体に範囲を広げた。4月以降、現地査察が可能と判断できた段階で再開するとしている。
 再開するまでは、実地査察の代わりとなる方法で査察を行い、品質や安全性に問題があると判断した場合は申請を認めない方針。具体的には、申請者の過去の査察実績を踏まえつつ、国境での対象製品のサンプリングや、関連する海外当局への情報照会などを行って評価する。
 米国は多くの医薬品や医療機器、関連材料を中国やインドから輸入している。今回、インドの査察も見合わせることになり、これが長期化すれば新しい後発薬の承認や原薬の調達などに影響を及ぼしそうだ。FDAによると、昨年の同時期に行った海外査察案件(海外で製造される医薬品や食品などが対象)は、同3月に25件、4月に23件あった。

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