厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会は2日、新型コロナウイルスワクチンの接種体制の方向性について了承した。予防接種法の「臨時接種」をベースに実施し、接種費用は無料とする。健康被害の救済給付などの費用も国が負担する。厚労省は必要な法改正を準備し、臨時国会に提出する方針。個別接種または集団接種で行うか、接種する「努力義務」まで適用するかは現時点で規定しない。

 政府は来年上期までに全国民分のワクチンを確保する計画を立てているが、予防接種法上の「臨時接種」に準じた体制で接種事業を行う。接種費用は技術料も含めてすべて政府が負担し、自己負担はなし。健康被害による損害賠償が生じたときの製薬企業の損失も国が補償する。臨時接種では、接種対象者の決定は都道府県知事が行うことになっているが、今回は国が主導して決める。

 ワクチンの効果の持続性は現時点で分かっていないが、今回の接種事業では、1人2回接種するワクチンであることを前提に、最初の2回分のみを対象にする。分科会委員からは、2回とも同じメーカーのワクチンが接種されることを求める意見が上がり、マイナンバー制度を活用した管理なども提案された。

 臨時接種の場合、接種を受ける「努力義務」を適用することも可能だが、コロナワクチンは開発段階で実績も乏しいことから例外も認めるようにする。委員からは、努力義務の適用について「強い抵抗感がある」「自治体としての説明が難しい」など慎重意見が相次いだ。

 2009年に流行した新型インフルエンザのワクチン接種では、全国民を対象としつつ、無料接種は低所得者に限定された。

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