日本が提案した木材・プラスチック再生複合材(WPRC)の環境仕様に関する国際標準が発行された。WPRCは、環境に配慮した持続可能な資源循環型社会の実現を目指すために開発された建材。廃棄物由来の木質原料(住宅・建築物を解体した際に発生した廃材など)と、容器・包装のリサイクル材などのプラスチック原料を溶融・混合して作られる。国内では、高い環境性能が得られ、木・プラスチックの特性を生かした材料として商業・公共施設などで使われている。国際標準化を契機に世界的な普及が望まれる。
 WPRCは、押出成形を主にさまざまな形状への加工が可能であり、用途に応じてインジェクション成形やプレス成形、注形といった製造方法も適用できる。微細に粉砕した後、成形するので腐れや割れ、とげ、ささくれが少なく安心して使えるほか、回収して繰り返し原料として使用できるのも特徴だ。木材に比べてイニシャルコストは割高だが、防腐防蟻処理などメンテナンスが不要なためライフサイクルコストに優れる。
 国際標準化に向けては、日本建材・住宅設備産業協会内にメーカーをはじめ大学や試験・研究機関などで構成する国内委員会を設置。国内規格(JIS A5741:木材・プラスチック再生複合材)を基に原案を作成し、2015年に国際標準化機構(ISO)のTC61(プラスチック)/SC11(製品)へ提案した。諸外国の専門家との議論・調整を経て今年3月に発行された。
 国際標準(ISO20819:木材・プラスチック再生複合材-環境仕様)では、WPRCの定義と、原料に用いるリサイクル材料などの種類および配合割合、要求される基本特性などを規定した。定義は「原料にリサイクル材料などを質量割合で40%以上有するもの」。また基本特性として揮発性物質(ホルムアルデヒド)放散量や有害物質溶出量の安全性について定めている。原料の受け入れ時に品質を証明するため、バージン材料またはリサイクル材料であることの確認規定も盛り込まれている。
 国際標準化により、先行する日本の環境性能に優れた製品がグローバルに展開する環境が整った。グリーン建材・設備製品の市場成長が著しいASEAN(東南アジア諸国連合)での規格の普及も日本主導で取り組んでいく予定だ。国連の持続可能な開発目標(SDGs)第12項のなかに示されている「持続可能な消費と生産‥再利用を通して廃棄物の発生を大幅に削減する」の達成にもつながることを期待したい。

新聞購読のご案内

つづきは本紙をご覧ください

コラムの最新記事もっと見る