「嫁に食わすな」という「秋」は旧暦のことで、代表的な夏野菜であるナスの旬は7~9月。今ではハウス栽培で1年中、新鮮なナスが手に入る。焼いたり揚げたり炒めたり、また漬け物と調理の幅は広く、チーズやトマトソースなど洋風料理にもよく合う。野菜の中でもナスを一番好む小生は、とくにナス味噌炒めがあれば文句ない▼22日付弊紙に興味深い記事を見つけた。世界で初めてナス由来の成分による血圧改善、気分改善効果を実証したという。ナス生産者や企業、大学、研究機関で構成するナス高機能化コンソーシアムの成果だ。好んで食べ続ける理由付けみたいなものを得られた気がした▼ナスは全体の9割以上が水分で栄養がないように思われがちだが、ビタミンB群やC、鉄分やカリウム、カルシウムなどを多く含む。ポリフェノールの一種であるアントシアニンも含み、抗酸化や血栓予防効果があるという。ただ、ほとんど水分のため栄養分はそんなには多くない▼コンソーシアムは、ナスに新規機能性成分コリンエステルが豊富に含まれるという信州大学の中村浩蔵准教授の発見が基で、企業はADEKAが参加した。同成分が関与した機能性表示食品の製品化に取り組むという。冒頭の慣用句の解釈はいいとしても、可能性が秘められたこの夏野菜は皆で食して欲しい。(19・11・28)

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