アジア最大規模の科学機器の展示会「JASIS」(ジャシス)が9月5日から3日間、幕張メッセ(千葉市)で開催される。科学機器は化学、医薬品、石油、電子材料、自動車関連など、あらゆる産業における研究開発や生産技術の発展を支えてきた。今年もJASISにおいて新たな情報の発信を期待したい。また近年、来場者の75%が関東・甲信越地区に集中しているとの指摘があったが、来年2月に初めて関西地区で開かれることも決まっている。
 JASISは「分析展」「科学機器展」として、それぞれ開催されて以来、半世紀の歴史を有する。2010年に合同開催し、12年に名称を改めた。今年の出展規模は当初目標の約500社、1500小間にいたり、来場者は3万人を見込む。
 広大な会場を有効に利用した大規模展示にとどまらず、多様な併催企画があることが最大の魅力だ。各社が行う約350テーマの「新技術説明会」が、集客の大きな原動力となっていることは間違いない。
 新技術説明会の1テーマ当たりの平均聴講者は46・1人で、100人以上を集めているテーマが33に達した。総入場者のうち新技術説明会への参加率は64%と高く、展示会全体を支える企画だとうかがえる。
 会場で誰でも参加できるオープンソリューションフォーラムでは「フタレート規制」「香りとにおい」「次世代電池」の3テーマに合わせ、専門家による基調講演と関連技術を保有する出展社の発表が20タイトル以上予定されている。例えば電池材料では、モバイル用や車載だけでなく、全固体電池開発の最前線も紹介される。
 毎年、技術トレンドに合った展示で内容を充実させてきた一方、問題点も浮き彫りになっている。目立つのが来場者の地域的な偏りだ。関東・甲信越地区が75・2%と突出しており、近畿地区は9・1%にとどまる。企業の節約志向もあろうが、関西地区には有力企業が多く、潜在的なポテンシャルは高い。このため「JASIS関西」を19年2月5日から3日間、グランキューブ大阪(大阪市北区)で開催することを正式決定した。約150小間の出展、100テーマの技術説明会が目標だ。
 関西での開催が決まり、京阪神地域をはじめとする西日本の関係者やビジネスマンにとってJASISは一段と身近なものになるだろう。今後、関西での実施が定着すれば、幕張メッセでの“本家”展示会への注目度も高まるのではないか。東西開催となるのを機に来場者の増加など相乗効果につながることを期待したい。

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