そらで唄える英語の歌がいくつかある。「サマータイム」はその1つ。ジョージ・ガーシュインがオペラ「ポーギーとベス」のために作曲したアリアだが、ジャズのスタンダードナンバーとして定着し、オスカー・ピーターソン、サム・クック、マイルス・デイビスなど多くの演奏家がカバーしている。個人的にはジャニス・ジョップリンの歌が最も好きだ▼サマータイム。日本語では夏時間というのだろう。英語では「day light saving」とも言う。欧州石油化学会議でウィーンに行った夜、前夜祭の司会が「明日は一時間ゆっくり眠れますよ」と言って会場の笑いを誘った。知り合いに、翌日から冬時間に入るので、時計の針が1時間遅くなると言われ納得した▼反対はニューヨークで体験した。ライオンデルバセルに統合された旧アーコ・ケミカルに取材に行く日の朝。駅に行って切符を買おうとすると、何か様子がおかしい。同僚が大きな柱時計を指して「8時だ」と驚く。我々の時計は7時。その日から夏時間だった。アーコはペンシルベニア州の奥。取材に遅れないか、焦ったのを覚えている▼猛暑の五輪対策としてサマータイムの導入が検討されている。慣れない時間制度には色々戸惑いもあるが、選手の安全を考えたらいい案だと思う。なにより新しいことは楽しい。(18・8・3)

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