東京にはどれくらいの「ふるさと会」があるのだろう。県人会もあれば、市町村レベルの出身者の集まりもある。最近、小職の生地、岩手県北上市の在京ふるさと会の会報を目にすることがあった▼「沸き立つ北上」という市長のコメントが載っている。来年のラグビーワールドカップのウルグアイ代表の公認チームキャンプ地に内定したことなどが報告されている。しかし、メインニュースは東芝メモリの半導体新工場の起工式が執り行われたことである▼2019年秋の完成予定で、投資総額は1兆円を超す見込みともいわれる。関連企業の進出の動きもあり、地元経済への波及効果は大きい。従業員数は1000人とも言われ、同社が従業員を大量採用する余波でその他の企業の人材確保が難しくなるなどの課題も生まれている。ちなみに18年7月の有効求人倍率は、全国平均1・63、岩手県平均1・43に対し、北上市は1・85とかなり高い▼地方の疲弊が叫ばれるなか、企業投資によって地域が潤うのは、大部分の地方にはうらやましいことだろう。ただ、心配がないわけではない。沿岸部の人口流出に拍車がかかりはしないか。今後いつかの時点で亀山や尼崎などの轍を踏むようなことはないか。企業、自治体、住民、三方良しの持続的発展を願わずにはいられない。(18・9・26)

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