景気後退局面の可能性が指摘されるなか、厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率が前月比0・02ポイント減の1・59倍となり、3カ月連続で前月を下回った。1・6倍を割り込むのは1年4カ月ぶりのことだという▼ただ、半導体関連の落ち込みなどにより製造業で採用に慎重さがみられるものの、建設業や医療・福祉業などはいぜんとして増加している。業種によりバラツキが出ており、幅広い分野で人手不足が指摘されるような状況ではなくなってきているようだ▼帝国データバンクが行った7月の従業員過不足状況に関する調査では、正社員が「不足」と感じている中小企業は45・9%で前年同月比3・1ポイント減、小規模企業は42・1%で同1・5ポイント減だった。大企業は59・3%で7月としては過去最高を更新しているだけに、体力的に劣る中小企業の景況感の悪化が懸念される▼一方、総務省が発表した7月の完全失業率は2・2%と1992年10月以来、26年9カ月ぶりの低水準だった。雇用情勢は全体的に底堅く推移しているなかで、業種や規模の違いによる不足感の差は気になる▼日本では来月に消費増税が実施されるが、今月からラグビーワールドカップが始まり、来年には東京五輪・パラリンピックが控えている。このタイミングで、もう少し明るい材料が聞こえてきてほしい。(19・9・5)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る