世の中の矛盾を表す言葉に、正直者がバカをみる、というのがある。そのまま受け入れたくない表現だ。バカをみても良いではないか。そう反発したくなる。しかし、国家の危機管理などを考えるとそうも言っていられない。海外の悪い人たちの詐欺にかかり国家が破綻しました、では済まないからだ。それでもやはり、何かひっかかる▼似て非なる表現に、バカ正直というのがある。そう呼ばれるくらい正直になりたいと願う一方で、本当のバカ正直になるのは難しい。初対面の人に、あなた猿みたいな顔ですね、などと思ったままを言うことはできない。先輩や上司に仕事がダメですねとも言えない。しかし、なぜだろう▼人の知恵と、コンピューターの能力との違いはそこら辺りにあるのではないか。人は学んで知恵を付けるとより効率的、効果的に結果を得ようとする。それが転じて、都合の悪い事態を回避しようとする。その結果、正直さを失っていく。官僚や企業による隠蔽、改ざん、水増し事件や、定められた手順の一部を省いた結果の事故などは、知恵を持つ賢い人ほど起こし易いのではないだろうか▼さて、OBの先輩に自家製の春野菜をたくさんいただき、お浸しや辛子和えなどにして楽しんだ。しかし、このペースでは全てを食べられそうにない。隠蔽に走る予感。(19・3・19)

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