時代の変遷に思いふける機会が多かった大型連休が終わったのも束の間、早速本格化する企業の決算発表に合わせ必死に気を引き締め直す。結局は平成と変わらぬ日々を送りながらも、新たな時代への期待感は隠しきれない▼新天皇のお祝いムードが漂うなか、比較的人が混雑しない日を選んで皇居に足を運んだ。計画が遅きに失して遠出の旅行を断念したこともあり、それならばと歴史的な出来事に便乗した格好だ。公の催しがない日とはいえ当然のように多くの見学者で賑わっていた▼皇居二重橋前にほど近い明治生命館に立ち寄った。完成は1934年(昭和9年)で、97年に昭和の建造物として初めて国の重要文化財に指定されている。曜日・時間を限定して一般公開しているが、ゴールデンウイーク中のため普段は公開していない祝日に見学できた▼古代ギリシャ・ローマを源流とする古典主義様式でまとめられ、とくに5層分を貫く巨大なコリント式の列柱が立ち並ぶ姿は圧巻。昭和初期のオフィスビルの最高峰といわれ、現在でも1階の一部は現役だ▼戦時中の金属回収や東京大空襲、終戦後はGHQに接収され米・英・中・ソの4カ国代表による対日理事会の会場として使用されるなど、昭和の激動を乗り越えてきた。令和の始まりに際し、歴史の重みを感じざるを得ない。(19・5・9)

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