日本と韓国が海洋分野で連携を進めている。国土交通省海事局と韓国海洋漁業省海上安全局が先ごろ東京で開催した日韓検査課長会議で、両国の寄港国検査(PSC)における連携強化・技術交流を促進していくことで合意した。
 日韓検査課長会議は、国際的な船舶の安全確保および海洋環境保護に関する条約・基準などの策定や、PSCにおける協力関係の構築・維持を目的としたもので、1996年にソウルで第1回会議を開催した。以来、原則として毎年、両国交互に開催している。
 21回目の今回は「シップ・リサイクル条約」(2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約)の締結に向けた、両国のスケジュールおよび準備状況について情報共有した。とくに日本は、同条約の国内担保法である「船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律」が今年6月に成立・公布されたことに関して情報を提供。併せて国際海事機関(IMO)の優先的課題とされるシップ・リサイクル条約の早期発効を実現するため、韓国に早期締結を促した。
 また、国際海運から排出される温室効果ガス(GHG)の削減目標などを盛り込んだIMOの「GHG削減戦略」が今年4月に採択されたことを踏まえ、今後のIMOにおける、さらなる削減対策の議論に両国が連携して取り組むことを確認した。20年1月1日からは燃料油硫黄分規制が現行の3・5%から0・5%に強化されるが、その適切な実施に向けてIMOで策定作業を進めているガイドラインの検討状況などについても意見交換した。
 ほかにも船体付着生物の管理や船舶から発生する水中騒音の低減について、両国で国際的な議論の動向を共有。そのうえで日本から、国際海運に過度な負担を課すような不合理な規制化につながらないよう、両国が連携して国際的な議論に参画するよう呼びかけた。
 PSCに関しても、教育訓練プログラムにおける協力や技術交流を促進していくことを確認した。検査内容の、さらなる向上・標準化を進めるため、来年度も引き続きPSC実務担当者の相互交流を行うことにしている。また、両国に寄港するクルーズ船へのPSC実施に関する相互協力体制を構築していくことにも合意した。
 日本と韓国は海を挟んだ隣国であるだけでなく、ともに世界の主要海運・造船国である。連携強化を通じ、船舶の安全確保や海洋環境保護などの課題を解決するにあたり、国際的に存在感を発揮してほしい。

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