古き国鉄や省線の時代、駅は目指す電車や汽車に乗るための場所に過ぎなかった。切符を買い、プラットホームで列車を待つだけの場所で、食はせいぜい、駅弁。時は移り、駅は大きなビジネスの場となっている▼とりわけ「駅ナカ」は新しいビジネスチャンスにあふれている。東京駅がリノベーションとともに見せた駅ナカのポテンシャルは、あっという間に全国の主要駅に広まっていった。新幹線の停まる駅は、百貨店の食堂かと思えるほど、食を求め、提供する人々の声がこだまする所となった。街ナカより高めに価格設定がなされているという文句はさておく▼大地震から2年、九州新幹線の主要駅の一つ熊本駅もようやく駅ナカブームに追いついてきた。地元の人が「高架下」と呼ぶ地域が開発され、グルメタウンができあがった。名物の馬刺しや辛子蓮根を供する店が賑わい、2度づけ禁止の串カツ店で若い店員の声が飛び交う。JRも駅ビルの再開発に乗り出す▼かつて中央官庁の九州出先機関が軒並み居を構える九州の中心都市だった熊本。その中心駅がこれかと思わせるほど熊本駅は地味な駅だった。グルメタウンは、農業、半導体を中心とする産業に、観光という新しい柱を加える熊本の経済政策の先兵だ▼明日からゴールデンウィーク。今夜は駅ナカでまったりしよう。(18・4・27)

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