台風12号が日本列島を射程に収めていた先週あたり、それまでの酷暑からやや逃れられ、ホッとした感があった。ただ、公園の脇を通ると、蝉の鳴き声がうるさいのに気づいた。そういえば夏真っ只中なのに、今年は蝉の鳴き声を意識させられるほど聞いていなかったような気がする▼実は、蝉は暑すぎることを嫌う。日本で最も大きいクマゼミは35度C前後になると鳴かなくなるという。朝早くから鳴き始め、暑い昼は休んで、夕方になると再び鳴き出す。これには気温が大きく関係している。一般的な説と異なり蝉の寿命は1週間より長いそうだが、生きてる間は精一杯鳴かせてあげたい気もするが▼さらに、夏の季節の宿敵である蚊が活発に活動するのは26度Cから32度Cの間だという。蚊はもともと茂みなどに潜んで獲物を待つことが多く、猛暑のなか涼しい場所にじっとしていたらしい。今年は例年より暑い日が続き蚊の発生も早まったそうで、そういえば6月頃から対策に追われていたことを思い出す▼蝉と蚊、涼しくなって夏の風物詩を感じるとは何だか妙な話である。ほどほどの気候が生き物にはちょうどいいのだろう。地球温暖化が指摘されて久しいが、虫たちが住みよい環境を整えるにはどうすればいいか。短い命を全うすべく蝉の立場で考えれば、一刻の猶予もない。(18・8・2)

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