目に見えていることを、自分の目線そのままに相手に映像で伝えたい。そう思った経験は誰しも色々あるだろう。たとえばAV機器の配線が分からないとき、水漏れの様子を業者に示すとき、魚や肉のさばき方を教わるときなどだ▼こんなとき、カメラを手に持って撮影しながら、電話で相手と話すという方法が一般的だろうが、これでは手が自由に使えないし、自分の目線から見える映像ではない。見えているままに話すのは簡単だが、モニターに映っている映像を見ながらそれを伝えるのは難しい▼スマートグラスの出番である。GPSなどのさまざまなセンサーやカメラ、マイクなどを搭載し、インターネットにもつながり、拡張現実(AR)を実現する▼オルガノがこのほど、水処理設備の新規建設現場と本社設計部門との間でスマートグラスを用いた遠隔作業支援ソリューションの活用を始めた。この効果は劇的で、デジカメ写真と電話で半日かかっていたやりとりが、設計者の状況把握から指示完了まで15分に短縮できた例もあるという。新規建設現場だけでなく、保守にも効果を発揮しそうだ▼個人的用途で期待したいのは、行動の終日記録である。思い出として、そして自分の行動チェックとして。きっと家族への対応の反省につながり、家庭の安全・安心に貢献するだろう。(19・7・31)

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