産業技術総合研究所(産総研)、筑波メディカルセンター(茨城県つくば市)などのグループは、新型コロナウイルス感染症患者の初期診断をオンラインで行えるエックス線診療車を開発したと発表した。オンライン診断により、医療従事者の接触人数を最小化するとともに、車内の空気の流れを調整することで飛沫感染防止策を備えた。検査の迅速化や二次感染の防止が見込まれる。

 茨城県では病院内での一般患者への二次感染を防止するため、同感染症陽性者の初期診断は屋外の陰圧テントで実施している。一方、放射線技師への感染防止策が十分でない、相当数の人数が必要などの問題点があった。開発したエックス線診療車では、1時間当たり12回を超える十分な換気と空気の流れの工夫などにより、新型コロナウイルス感染症患者と医療従事者が非接触で胸部エックス線画像の撮影が可能になった。

 撮影した画像データはアプリを通して医師に送られ、車内でそのままオンラインチャットツールによる問診を受けることが可能。診察時間は約5分と陰圧テントの場合の半分から3分の1程度の速度まで迅速化できるとしている。

 グループは「オンライン診断と抗菌・耐菌を組み合わせた診療車はこれまでなかった」と強調。胸部エックス線撮影装置のほかにも、自動血圧計、エコー装置、バイタルモニター、心電計など備え、新型コロナウイルス感染症以外でも「水害などの自然災害でも現地で迅速に対応し、的確なトリアージが可能になる。将来、各県1台配備されれば柔軟な運用ができる」とした。

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