米イーライリリーは、新型コロナウイルス感染症に対する抗体医薬「バムラニビマブ」について、発症予防効果を臨床試験で確認したと発表した。介護施設入居者に対し発症リスクを最大80%低下させた。同剤は軽症~中等症のコロナ治療薬として米国で緊急使用許可(EUA)されているが、リリーは予防目的の使用も申請する。

 米国で介護施設の入居者約300例と施設職員約670例を組み入れ、バムラニビマブによる予防効果を検証した。投与8週間のコロナ発症率は、プラセボ群と比較して57%低下。入居者のみだと最大80%低下した。

 同剤はすでに軽度~中等症の患者に対する治療薬として米国で緊急使用が認められているが、介護施設では予防薬としても使えるよう適応拡大を申請する予定。ただ米国では介護施設入居者に対して優先的にワクチン接種が進められており、ワクチンより先に抗体医薬が投与される機会は限られそうだ。

 同剤は回復した患者から採取した抗体をベースに開発された薬剤だが、最近増えている感染力の高い変異株にも有効かは未確認。

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