25日付の全国紙各紙は、米朝首脳会談の中止を1面トップで報じた。米トランプ大統領が判断し、ホワイトハウスがトランプ氏から北朝鮮の金正恩労働党委員長宛の書簡を公開した。度重なる約束違反に不信感が拭えなくなったようだ▼この日はもう一つ、トランプ氏を発信源とする重大ニュースがあった。米国が自動車輸入関税引き上げを検討するという。安全保障を理由に、鉄鋼・アルミに発動した通商拡大法232条の適用を狙う。各国に仕掛ける「貿易戦争」の様相が一段と強まる▼実際に発動できるかとなるとハードルはかなり高い。米国経済への悪影響は避けられないから米国産業界にも強い異論がある。日本政府はもとより、欧州も強く反発している。そんなことは承知の上で、2国間ディール(取引)で強い交渉カードを握るのが同氏お得意の手法だ▼NAFTAの再交渉でカナダやメキシコの譲歩を引き出す狙い、日本を2国間のFTA交渉に引き込む意図が透けて見える。国際ルールに逸脱する極端な保護貿易、一方的な輸入制限は容認できるものではない▼安倍首相とゴルフのラウンドを重ねても、日本の立場を忖度しないことは朝鮮半島問題でも示された。お騒がせな言動や禁じ手を次々と繰り出すのがトランプ流。「彼ならやりかねない」と世論が慣らされるのが一番怖い。(18・5・28)

新聞購読のご案内

PDF版のご案内

コラムの最新記事もっと見る