ニューヨーク発のマッチングビジネスが日本の化学産業にも急速に浸透している。素材とデザイナーを結ぶマテリアル・コネクションだ。化学素材は新製品や新用途展開をする時は、商社などの販売機能を使うのが通常だった。また、素材産業にとってユーザーは樹脂などを加工するモールディング企業が多くを占める▼マテリアル・コネクションの特徴は、こうした中間的な企業を飛び越し、素材とその最終ユーザーである自動車や家電メーカーなどブランドオーナーのデザイナーと直接結びつけることにある。化学素材は耐熱性、機械特性、透明性、加工性など物性、機能が命だ。企業もその特性に照準を合わせたマーケティング戦略を打つ。マテリアル・コネクションでは、そうした機能に意匠性が問われる▼意匠性を持たせることで、それまでは考えられなかった市場が視野に入っている例も少なくない。射出成形しか考えられなかった樹脂が繊維材料として使われる。体温で変形する樹脂が、意匠と出会うことで高齢者用のコップになったりもする▼素材産業が得意とする物性を表現する言葉は、デザイナーが求める「ピカピカ」「ぶよぶよ」などの言葉とかみ合わない。マテリアル・コネクションはそうした両者の通訳の場でもある。異質との出会いが化学の可能性を広げている。(18・6・8)

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