本紙に先頃掲載された機能性糖質の記事に目が行った。天然甘味料として血糖値上昇を抑える効果に加え、新たに動脈硬化や注意力維持への有用性を裏付けるエビデンスを取得したというものだ。歳をとると、こういう類の活字に敏感になる。毎年受ける人間ドックの結果をみれば当然のことである▼この血糖値に関連する病気では糖尿病が知られ、日本国内で疑われる人は1000万人にも上るとされている。重症化すると視力障害や神経障害、腎機能障害など重篤な合併症を引き起こす恐れがあると聞けば、当然ながら対策に本腰を入れざるを得ないと誰しも思うだろう▼血糖値を上げる栄養素といえば炭水化物である糖質。ダイエットのための糖質制限に関する本も数多く、糖質オフの食品や飲み物も所狭しと店頭に並ぶ。家飲みが定着し、たまに嗜む缶チューハイは無糖に切り替えた。だが、大敵のビールに関してはなかなか譲り難い。ましてやノンアルコールとくれば、誠に身勝手だが、その存在意義すら問いたくなる▼飲食店の時短制限が解除され、帰宅途中に活気ある店内を見かけるようになった。行動様式が変わり、以前のような状態に戻るかは確信は持てないが、期待は高まる一方だ。経済回復と健康管理、どちらも強い意思と不断の努力が必要なことは言うまでもない。(21・10・28)

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