日本に初めて有機ELディスプレイの生産会社が設立されたのは2001年。三洋電機が有機ELの基本特許を持っている米コダックと合弁を組んだ。記事を読み返してみるとアクティブ型でフルカラーを目指すとある。総投資額500億円。今だから言えるのだろうが何とも無謀な挑戦だった▼三洋電機は事業再編を余儀なくされ06年に撤退してしまう。液晶の性能向上が進む一方、寿命などの課題が克服できず用途開発が進まなかった。その頃は携帯電話のサブディスプレイにパッシブ型が搭載されていたぐらいか▼初めて買った携帯電話はKDDIがメインディスプレイにアクティブ型有機ELを初めて採用した機種だった。07年のことだ。その当時、薄さや高画質を謳っていたが、画面は液晶に比べて特段綺麗とはいえず残念だった記憶が残っている▼それから10年以上の時が流れ、日本に本格的な有機ELの工場が立ち上がった。JOLEDの石川県・能美事業所。世界初の印刷方式で、高い生産性を実現するとしている▼スマートフォン用はサムスン、テレビ用はLGが市場を押さえているためか、モニターや車載といった中型分野を狙っている。ディスプレイ市場の本丸を避け、隙間商法的な事業展開で存在感を発揮できるか。とにかく国産有機ELにエールを送りたい。(19・11・29)

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