多摩地方に住んでいる。日本橋までの通勤は楽ではないが、住むにはいい。いわゆる里と呼ばれるところで、空気おいしく、緑が多い。都心より少し気温が低く雪も多いが、寒い冬も終わっていい季節がやってきた▼西から桜前線が北上してくるのと同時に春の花が一斉に開いた。春といえば桜で、花見客で名所はごったがえす。TVなどでも、桜、桜とかまびすしい。靖国神社の開花宣言の報道の過熱ぶりにはいささか辟易する▼桜だけが花ではない。木蓮、雪柳、連翹(れんぎょう)なども捨てがたい。すでに満開の時期は終わったが、木蓮の立派さはこの時期が来るたび感心する。住んでいる地域には木蓮が道の両端に植わって、木蓮通りと名付けたくなる道もある。雪柳は小さな白い花が満開で、すがすがしくなる。黄色い連翹と可憐さを競う▼週が明けると、新年度だ。今年も多くの新入社員が誕生する。それぞれに胸膨らむ思いでこの日を迎えるのだろう。平坦な道ばかりではないが、個性を発揮してもらいたいと期待する。企業は今、とんがった人材を求めている。会社は、人との協調は重要だが、自分らしさをどう発揮するかという舞台でもある▼エースも色んな分野で出てきて欲しい。花にたとえるならば、木蓮の立派さ、雪柳の潔さももっと愛でたい。人材は均質ではない。(18・3・30)

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