衛生用品や化粧品原料などの研究開発を行うHPG(東京都中央区)は、緑茶カテキンを水溶液中で高濃度のまま安定化させる技術開発に成功した。インフルエンザや新型コロナウイルスの感染阻害・不活化作用を実証しており、今後はさらなるエビデンスを積み重ねて事業戦略を組み立てる考え。トイレタリーや飲食料品、化粧品などのメーカーに対して採用に向けた提案活動に入る。

 茶葉に多く含まれるエピガロカテキンガレート(EGCg)は、酸化劣化が激しく保存安定性に欠けるため、各種製品開発において大きな欠点となっていた。この点を克服した同社の水溶液化技術(特許出願中)は、1万ppmの高濃度で安定化させることができ、希釈での濃度調整も容易という。

 EGCg水溶液の構成成分は、すべて厚生労働省が承認ずみの食品添加成分で「子供から高齢者まで安心して使用でき、家畜飼育場のウイルス感染対策にも応用可能」(金山正則社長)とみている。高濃度でも無色透明で茶葉のような苦みを感じさせない加工が可能で、口腔ケアや手指消毒液のほか、飲食物、足マットなど幅広く用途を開拓する。

 同社ではすでに月産約100トンの生産体制を整えており、量産の要求があればライセンス契約や技術協力などパートナーとして事業展開することも検討する。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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