葬式のため先週末、岩手県に行った。東京の酷暑からの解放を期待したが、昼の暑さについては大差ない。違うのは夕方から。涼しいとまでは言えないが、扇風機を回していればクーラーなしでもなんとかいける。この「なんとかいける」が多数派になると、室外機から排出される暖気がなくなるぶん、夜がしのぎやすくなるのではないか。もちろん緯度の差や人口の差(エアコン台数の差)はあるにせよ▼さて、葬儀の話である。火葬を、通夜、葬儀の一連のプロセスの中のどこで行うかは地域差がある。東北地方では、通夜の後、葬儀の前に火葬を行う「骨葬」が一般的。ある調査によると、骨葬が一般的な県は10県ほどあるという▼火葬を先にする理由は、衛生面、費用面などいろいろあるようだ。気をつけたいのは、骨葬では葬儀の際に故人の顔を見て最期のお別れをすることがができないということだ。最期の対面を望むなら、通夜に行かなければならない▼生物多様性の保護というけれど、文化や習俗の多様性も失われないでほしい。多様な文化の接触の中から活力や創造性が生まれる。それは、企業社会におけるダイバーシティの重要性と同じことだろう。ただ、地域差を放置すると、場合によっては地域格差という厄介な代物に化けかねないということは忘れないでおきたい。(18・8・29)

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