課題の先送り感が否めない。経済産業省が連休前にまとめた第5次エネルギー基本計画の骨子案を一読しての、率直な印象だ。2030年に向けた国のエネルギー政策の方向性を提示しているが、現行計画の骨格を維持する内容にとどまる▼技術開発や情勢変化をアップデートする一方、エネルギーミックスには手を付けなかった。50年に向けては、エネルギー転換への挑戦、あらゆる選択肢の可能性を追求すると勇ましい。しかし、30年に向けた政策対応にはインパクトが乏しい▼エネルギー政策は企業活動や国民生活の基盤となる政策課題。気候変動問題と表裏一体の関係にある点でも重要だ。骨子案は脱炭素化にシフトするために野心的な複線シナリオが必要とするが、原発については政策の再構築というだけで具体的踏み込みはない▼重要なベースロード電源と位置づける一方で「可能な限り低減」と記述する。今後、再稼働設備が増えてもいずれプラント寿命を迎える。50年以降も原発を使うというなら、その是非やルール作りを含めた国民的議論は避けて通れないはずだ▼よもや、支持率を気にする官邸を忖度して、腰が引けた訳ではあるまい。が、有識者会議で委員の一人は「安倍1強体制で原発リプレースを提起できないなら、この先どんな政権になってもできない」と断じた。(18・5・7)

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