前回の東京五輪では、開催に合わせて交通インフラの整備が一気に進んだ。代表的なのは東海道新幹線だが、浜松町駅と羽田空港を結ぶ東京モノレールも1964年(昭和39年)9月に開業した。本格的な公共交通機関としてのモノレールはこれが第1号となる▼それよりも早く運行を始めたのは上野動物園内を走るモノレール。正式名称は「上野懸垂線」で、昭和32年12月のことだった。路面電車に代わる新しい都市型交通機関を目指して実験的に建設された。東園と西園の約0・3キロを1分半で結ぶ▼60年以上の長きにわたって走ってきたが、10月いっぱいで運行を休止する。現在走っている車両は4代目の40形で、平成13年5月から運行されている。経年劣化が進行しており、車両新造には3年程度かかり、あわせて電気設備の大規模更新も必要-といった課題を勘案し判断したという▼もともと実験線というだけに動物園の遊技施設ではない。鉄道事業法に基づき東京都交通局が運営している。一日の平均乗客数は約3700人(平成30年度)と意外に多い▼祝日となった22日。久しぶりに上野動物園を訪れた。この日は無料開園日。ジャイアントパンダほどではなかったが、モノレールにも長い行列ができていた。幸いにも一番前の座席を確保でき、つかの間の乗車を楽しんだ。(19・10・25)

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