プロ野球日本シリーズが開幕した。セリーグの覇者広島と、パリーグのクライマックスシリーズ(CS)を制したソフトバンクの戦いである。ひと昔前なら「全国のファンが固唾を飲んで~」となるところだが、昨今の世間の熱気はいかばかりか▼CSは、両リーグそれぞれペナントレースの上位3チームで日本シリーズ進出チームを争うプレーオフ制度。2007年に導入されたが、見直し論や廃止論がくすぶる。今年の巨人のように、勝率5割以下でもCSに出場できる仕組みへの不満が根強いためだ▼ペナントレースは年間143試合の長丁場。これを2位に20ゲーム差で優勝しても、短期決戦のCSで敗れる可能性がある。下克上の楽しみといえなくはないが、ペナントレースの意義や日本一の定義が問題になる▼CSは米大リーグのポストシーズン制度を模したもの。しかし先方は、全米30チームが2つのリーグ各3地区でシーズンを戦う。12チームで構成する日本とは事情が違う。野球界は日本型モデルへの転換を検討すべきだろう▼他者の成功事例はきれいに見えるが、それを形だけなぞってもいい結果は得られない。真似るべき所はあるにせよ、背景や条件の違いを織り込んだ制度設計が不可欠だ。ビジネス社会の常識ながら、隣の芝生の緑につい目を奪われることは少なくない。(18・10・29)

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