日本では、2027年に東京と名古屋の間でリニア中央新幹線が開通する計画だ。10年以内とはにわかには信じがたいが、それは工事現場を目にしていないからの感想で、実際にはもちろん工事は進んでいる。関係者は「27」に向け気の休まらない日々が続く。開通すれば、現在90分弱の所要時間が約50分短縮される。ちなみに286キロの営業区間のうち86%はトンネルだ▼欧州では16年に「ゴッタルドベーストンネル」という世界最長トンネルが開通した。全長57キロ、縦坑など含めた総延長は150キロ超。チューリッヒ~ミラノ間はそれまで3時間半だったが、こちらも50分短くなった▼このトンネルの建設には約400万トンのコンクリートが使用されたという。これは世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」に使用されたコンクリート量の約40倍。ものすごい量である。BASFやシーカなどのコンクリート混和剤が使用されている。詳細は両社のホームページに譲るが、地下トンネル工事における困難な課題を高い技術力で克服した▼「アルプスはもはや障壁ならず」というわけだが、そんなフレーズを聞くと思い出すのが、紀元前の第2次ポエニ戦争におけるカルタゴ軍の「アルプス越え」だ。知将ハンニバルがもしこのトンネルを見たなら…。もちろんそれはかなわぬ空想だ。(18・3・28)

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