各地に大きな被害をもたらした台風19号の上陸から1カ月がたった。農林水産関係の被害も広範囲に及び、金額にして全国で2500億円強。多くの河川が氾濫・決壊したが、ニュース映像で衝撃を受けたのが長野県を流れる千曲川だった▼長野県は青森県に次ぐりんごの産地。被害を受けた国道18号線の一帯は「アップルライン」と呼ばれる。長野県は東北地方より南に位置するため収穫時期が比較的早い。10月上旬は本来なら最盛期だったはずだ▼落下したもの、浸水したものは菌が繁殖する可能性があるため販売できない。ただ、よかれと思って買う人がいたようで、長野県では風評被害を防ぎ正しい情報発信をする必要があると考えた▼風で枝にぶつかり傷がついただけのりんごは普通に美味しく食べられる。そこで長野県の職員が銀座で飛び込み営業を敢行。無印良品で扱うことになった。高齢化などを背景にして、今回の被害で農業から手を引くか迷っている農家も多いという。銀座で売られていることを知れば、仕事を続けるモチベーションになるかもと期待する▼1階の青果売り場を訪ねると「サンふじ」がかごに入っていた。小さな傷はあったが、ほとんど気にならない。通常品より少し割安。りんごジュースのような濃い味わいとの売り文句に誘われ3個購入した。(19・11・15)

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