地球上の生命の起源である有機物はどのように生まれたのか。その一部は宇宙からもたらされたというのが有力な説の一つ。これまでも隕石からは生命の原料となり得るアミノ酸や核酸塩基などの有機分子が見つかっていたが、このほど核酸を形成する糖分子も検出された▼東北大学・古川善博准教授らのグループの成果。有機物を含む可能性がある2種類の炭素質隕石からRNA(リボ核酸)を構成する糖分子「リボース」などを検出した。核酸は核酸塩基とリボースなど糖分子が結合したもので、遺伝情報を保存し、その情報からたんぱく質を作る。生命の源となる主要構成要素のすべてが隕石から見つかったことになる▼糖分子の安定炭素同位体の組成を分析したところ、地球の生物などの同位体比率と異なるため宇宙由来であることが確認された▼地球外で形成された糖分子が生命誕生前の地球に降り注いでいたとしたら。当時の地球でも糖を生成するような反応があったかもしれないが、どのような種類の糖分子なのかを示す証拠は残っていないという▼地球外を起源とする糖分子が生命材料の一部となった可能性が出てきた。約38億年前、生命誕生の場所は海だったとされる。どのような営みで生命が形づくられていったのか。この大きな謎を解き明かす時はくるのだろうか。(19・11・22)

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