政府が今国会の最重要法案と位置付けていた働き方改革関連法案が29日、参院本会議で可決、成立した。残業時間の上限規制、同一労働同一賃金、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル(高プロ)制度創設が柱▼経団連、経済同友会など経営サイドからは歓迎コメントが発せられたが、報道各社の世論調査では今国会での成立を望む声は少数派だった。厚生労働省の労働時間調査データの不備が発覚した影響もあろうが、国民に支持されたとは言い難い▼とりわけ高プロ制度への賛否は分かれた。「年収が1075万円以上で会社と交渉力のある労働者にしか適用しない」との説明だがどうだろう。「雇われ人の身に交渉力などない」「この金額が高収入か」といった懸念や疑問が絶えない。連合が強く削除を求めていた項目だ▼急速に進む技術革新により経済・社会システム、産業構造が変化している。それに対応した新たな雇用形態が必要とされるのは確かだ。「柔軟で多様な働き方が生産性向上をもたらす」という筋書き通りにコトが運ぶかどうかは、制度がどう運用されるかで決まる▼「働き方ではなく、働かせ方改革」とも評されてきた。経営者、雇用する側にとっては、働き手への十分な健康配慮など、これまで以上に高いモラルが求められる制度改革となる。(18・7・2)

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