各国政府の環境規制強化を背景に、ハイブリッド車(HV)をはじめとする電動車の普及が着実に進展している。2017年はHV、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)合計で前年比24・6%増の324万台(富士経済調べ)まで成長した。内訳をみると、HVは日米は微増にとどまったが、欧州と中国は環境規制に強く押されて需要が急増し、同14・3%増の208万台。PHVは同33・3%増の40万台まで伸びた。「21年に1キロメートル走行当たりのCO2排出量95グラム」という規制を掲げる欧州が15万台と最も構成比が高く、次いで中国が12万台となっている。またEVは、中国や欧州を中心に同58・3%増の76万台と高い伸び率を記録している。
 このまま次世代車へ置き換えが進むようにも思えるが、消費者の意識はどうだろうか。日本自動車工業会が実施した乗用車市場動向調査(17年8月14日~9月26日実施)によると、HVおよびEVの「名前+特徴」に対する認知度は全体で6割前後に上るがPHVは3割程度、燃料電池車(FCV)は3割に満たない。また次世代車を「購入を検討したい」「購入をやや検討したい」とする層はHVで4割強、EVおよびPHVでは2割程度にとどまる。
 購入を検討したいのはHV、EV、PHVの順だった。とくにEVは、購入の懸念事項として「1回の充電での走行距離が短い」「充電施設の場所や数が心配」を挙げる人が3割以上あった。電池容量やインフラといった利便性の面で不安が残る状況がうかがえる。
 現在、市場を牽引するのはHVだが、前出の富士経済の調査では、25年以降はPHVとEVが伸び、35年の市場規模はPHV1243万台、EV1125万台になると予想。エリア別では、HVが主流の日本市場でも30年以降はPHV、EVの販売比率が高まるとみる。ただ北米は排ガスをゼロにする「ZEV規制」を背景に各社がPHV、EVの販売に力を入れるもののガソリン安から内燃車の需要が継続。35年のPHVとEV合わせた販売比率は17・6%にとどまる。欧州も、財政状況が厳しい南欧や東欧での普及の遅れにより同販売比率を27・4%と推計している。一方、世界市場の牽引役と目される中国でも、自動車メーカーの育成や電力供給、充電設備などの整備に時間を要し、内陸部まで需要が広がるのに10年以上かかるという。
 20年代にはFCVの本格投入も見込まれるなか、デファクトスタンダードを巡る争いが一層厳しくなることは確実。国内自動車各社の奮闘が期待される。

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