とりあえず玉虫色の声明を出して問題を先送りにした。大阪で開催されたG20のザックリとした印象だ。そんな傍観者のような気分でいたら、突然、化学業界を揺るがしかねないニュースが飛び込んできた▼日本政府は1日、今月4日より半導体や有機ELディスプレイなどの情報通信(IT)系製品の製造に欠かせないフッ化ポリイミド、レジスト(感光材)、フッ化水素(エッチングガス)を対象に、韓国に対し輸出ごとに許可・審査を求める個別対応に切り替えると発表した。これまでの包括対応に比べ輸出審査が厳しくなる▼政府はさらに、韓国を安全保障上の友好国である「ホワイト国」から除外する方針。これにより、軍事転用の恐れがある技術や製品を輸出する際には許可が必要になる。そうなると、影響を受ける品目は拡大するとみられる▼先端分野には最先端の化学系材料が欠かせない。日本の化学企業は、上記の3製品を含めIT系化学材料で高い世界シェアを抑えている。サムスン、LGなどのIT系企業を擁する韓国は有力な輸出先だ▼今回の措置は輸出禁止ではなく、手続きを厳しくするもの。したがって、実際にどの程度のインパクトがあるのか予想が難しい。発表を受け、各社は「影響を精査中」と対応に追われている。今後の展開から目が離せない。(19・7・2)

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